手記

楠木亭西風が書いている。

2019年10月まとめ

沖縄を旅行した。
月光荘」という、泊まれる居酒屋に泊まった。「アフロ田中」という漫画に出てくるので、知る人ぞ知るらしい。

宿にいる人(宿のスタッフとか、宿泊者とか、近所の人とか)と喋ったり、泡盛を飲んだり、ぞろぞろ美味しいタコライスを食べに行ったり、三線を教えてもらったりしていたら、本当にほとんどずっと月光荘にいるまま5日が過ぎてしまった。沖縄に行ったのに海も見ていない。沖縄旅行というより月光荘旅行だった。
とはいえ、現地の人が「首里城は行かんでいいでしょ」って言うので首里城見学をキャンセルして、首里城近くの瑞泉酒造で泡盛をガブガブ飲んで帰ったのはさすがにマズかった気がしている。燃える直前の首里城を見納め損ねた。ただ瑞泉の泡盛は美味しかった。
 
 
那覇の次は韓国・ソウルに行った。
ソウルには6日間いて、現地の友人と2日、一人で2日、会社の同僚たちと2日過ごした。
アメリカ留学時の友人に久しぶりに会えた。ソウル大学のPhDでなにか難しそうな研究をしていた。その友人にゆっくりとソウルを案内してもらうつもりだったけど、アメリカの学会に出るとかで2日目に旅立ってしまった。しょうがないので、一人の時はマッコリとかクラフトビールをたらふく飲んだ。
韓国のクラフトビールカルチャーは素晴らしい。
韓国には長らく「Cass」というカスみたいなビールしか無く、ビール不毛の国と言われていた。しかし、magpie brewingをはじめとして外国人が新しいビールカルチャーを持ち込んだことで、一気にクラフトビールが広まったらしい。ラガー(アサヒみたいな辛口ビール)ではない種類が豊富で、コンビニでさえ何十種類ものエールビール(よなよなエールみたいな美味しいビール)が売っている。また街にはビアスタンドのような店がたくさんあり、安価で美味しいクラフトビールを飲める。大変な充実ぶりだった。
友人が来てからも大して観光はせず、たくさん美味しいものを食べた。広蔵市場という市場にある居酒屋に通いつめて仲良くなったら、どれだけ飲み食いしても一人15,000₩(≒1,500円)を越えなくなった。また、広蔵市場の2階が巨大古着市場で、そこの一店に通いつめたら破格の値段でいい感じの服をたくさん売ってくれた。(サムスンブランドの上着などを買った。サムスンが服!)
 
僕は純血の韓国人だけど、韓国に行くのは15年ぶりで、実はとても緊張した。日本に住んでいると韓国について悪いことをたくさん聞く。韓国人でありながら、どことなく韓国に心理的距離を感じざるを得ない。実際、日韓関係や韓国の政治について多くの若い在日韓国人は「アル中の父がすみません」というような感想を抱いている。

でも15年ぶりに(大人になって初めて)韓国に行って、韓国の素敵なところがたくさん分かった。ご飯が美味しいし、独自のポップカルチャーを持っている。東アジアにあって、日本とは異なる魅力がたくさんある国だ。また、自分自身の文化に韓国が強く根付いていることも分かった。例えば、宿で「韓国伝統の朝食」を出してくれると言うので楽しみにしていたが、見てみたら祖父の日々の食事そのものだった。多分、正月はトックを食べる、実家のテレビがKBS、みたいなことも、とてもコリアンなんだと思う。
そんな感じで、韓国が好きになったし、韓国人であることを誇らしくも思えた、とても良い旅行だった。
 
 
11月の目標は機械学習がちょっと書けるようになること、本をたくさん読むこと。
 
 
ベストタコライス:赤とんぼ(沖縄・那覇
ベスト居酒屋:ソウル・広蔵市場の、大泉洋に似た店員さんがいる店。
ベストインド料理:サルマ ティッカアンドビリヤニ(東京・品川)
ベストアルバム:Cuz I Love You(Lizzo)